団体名   GIS(地理情報システム)山口県内情報コンテンツ研究会
ジャンル 山口地図
タイトル GISを用いた山口県の地図情報〜山口県の自然と文化・歴史のデジタルアーカイブ〜
会場 きららネットギャラリーA棟
日時 8/1(水)〜 7(火)
内容 山口県の歴史、文化等を地図情報により展示するデジタル図書館の開館。

 


山口大学理学部の山岡郁雄教授にお話を伺いました。(2001.7.19.THU)


●GIS(地理情報システム)山口県内情報コンテンツ研究会はどんな会なのですか?
山口市にあるNPO法人『デジタルアーカイブ山口』と、山口大学の『おもしろプロジェクト』、サークル『Webbies』、『リエゾングループ』の4グループで、4年前から進めているプロジェクトです。山口大学が、県や地域と関わりながら、山口県内の様々な情報を地理情報システムに加えていくためのプロジェクトで、たくさんの人が関わり合っています。

●GISについて教えてください。
もともと私は生物情報の調査研究をしていたのですが、分布情報などを地図上にプロットすることで、研究結果を視覚的に報告できる仕組みを知ったんです。それがGIS(地理情報システム)です。ベースに県内の地図をおき、その上に分布情報のレイヤーを重ねていくことで、その生物の生息状況や特性を一目で知ることが出来るんです。地図は詳細が分かるものや標高が色別で示してあるもの等、知りたい内容に応じて選ぶことができます。
例えば、カジカガエルの分布を見てみましょう。県内の川の上流に生息していることが分かるでしょう?
そしてその上から違う種の蛙の分布を重ねると、カジカガエルとは違う分布をしているでしょう?どんどん種類を増やしていくと、県内のどこに、どんな蛙がどんなふうに生息しているかが一目で分かります。
さらに、知りたい蛙の名前を選ぶと、写真を見ることが出来たり、鳴き声を聞いたりすることが出来るんです。図鑑の解説を見ることも出来ますよ。
地図だけではなく、画像や鳴き声など、見せ方にはたくさんの可能性があるんです。それが私たちの作っているGISコンテンツです。

●きらら博ではどのような情報を見ることが出来るのですか?
大きく3つのジャンルに分け、その中にたくさんのコンテンツ(内容)を盛り込んでいます。ジャンルは「自然」、「文化」と「歴史」です。「自然」は2つに分かれていて、一つは「野生生物」や「天然記念物」など、生物に関連した情報で、二つ目は「山からの景観」「棚田」など、自然に関連したものです。「文化」では「空から見た山口」「道路景観」など、そして「歴史」では「山口県の遺跡」「大内氏史跡」など、県内の情報をいろいろな角度から、いろいろな方法で見ることが出来ます。また、見る人の気持ちによっても、いろいろな見方の可能性が広がるようになっています。

●GISの魅力とは?
そうですね。年齢を問わず、すべての人にすべての情報を見てもらえることですね。今までも行政や企業などでは、GISを使ったコンテンツを作製しています。しかしそれは専門的であり、一部の人にしか公開されていないんですよ。今回は、GISを使った情報を一般の人に見てもらおうという、初の試みなんですよ。
たとえば、「空から見た山口」ですと、実際に空から見ることは難しいでしょ?だけど、このシステムでは、いろんな場所の上空から、山口県を見ることが出来るんです。行けないけれども見ることが出来る。そしてその情報を何かに生かしてもらえればと思います。

●当日は会場でGISを体感することが出来るんですね。
はい。スクリーンを使っての説明をしたり、ジャンル別にパソコンを設置して体験していただけるようにします。パソコンの前に座ったら離れられなくなりますよ(笑)。また、きららネットの企画でもきらら博会場マップへの情報埋め込みを行いますので、8/1〜7の期間後にもGISの体験をしていただくことができます。

●GISはこれからどんなことに使われていくのですか?
今考えているのは、学習教材としての利用です。現在では各学校でもIT(情報技術)化が進んでいるじゃないですか?だから、こういうシステムを活用して、今まで教室では出来なかった学習をしてもらえるはずです。そしてこの地図を見た子どもたちが新しい発見をしたり、この地図を生かして地図を大きくしていってくれることも楽しみですね。
いろんな見せ方、見方があるので、いろいろな可能性を広げることが出来ます。地球レベルでの教材となりますよ。

●これからもこのGISの開発をされるのですか?
もちろん。現在は県内だけですし、ジャンルも限られていますが、コンテンツを増やしたり、これからどんどん広げていきますよ。
そのために、「きらら博」を第一の目標にし、「山口県はここまで情報を載せています」ということをアピールすることで、各県から来られる方に自分たちの県の地図も作りたいと思って欲しいですね。関心を持ってもらうことで、もっと広い範囲に拡大していくきっかけを生み出したいんです。
みんなで日本中の地図を作っていくきっかけのサンプルとして、今回は山口県の地図情報を展示します。来られたお客さんと一緒に、新しい情報をどんどん増やしていきたいんです。
そして、ミラーサイト(サーバ)を各地に置きたいですね。ITの進化に期待して、先を見越した大きなものを作っていきます。

●最後にお客さんにメッセージをお願いします。
今回のデジタル地図を見ていただくことで、この地図をこれから一緒に作っていくきっかけになればと思っています。視覚的なシステムにいろんな情報を、みなさんの手で入れてみて下さい!希望者には体験版のCD-Rもプレゼントしますよ。まずは文章を読んで理解するよりも、実際に体験をしに来てください。


希望者にプレゼントされる体験版CD。
GISを家庭でも楽しめます。



 当 日 レ ポ ー ト 


ギャラリーに行くと、山岡先生が熱心に説明をして下さいました。

この地図情報システムに、既存の情報や新しい情報を入れていくと、どんどん新発見があったり、みんなに身近で使いやすい情報になっていくんじゃないかと思いました。