団体名   たぶせ山城太鼓  
ジャンル 和太鼓
タイトル 心の鼓動・元気な音の驚演 
太鼓によるミュージカル
会場 やまぐちホール
日時 8/15(水) 3回公演
11:00〜、14:00〜、16:00〜
内容 和太鼓という伝統楽器を通して子どもたち中心の交流をし、和太鼓の感動を伝えます。輝ける子どもたちに本質を伝達しようと、教育の一環として指導します。

 

たぶせ山城太鼓の代表である中市博之さんにお話を伺いました。(2001.7.20)


●きらら博への参加のきっかけを教えてください。
たぶせ山城太鼓ははじめ、田布施(たぶせ)町の中にある城南という地区でスタートし、その時は山城太鼓という名前だったんですよ。それから3年経った時、今度は町の太鼓にしようじゃないかということで、たぶせ山城太鼓になったんです。それで今度はきらら博をきっかけに、山口県の太鼓にしようという挑戦の意味を込めての参加なんです。
だから、今回のステージでは発表の場ではなく、たぶせ山城太鼓のアピールの場なんです。

●太鼓を通じて、子どもたちにどのようなことを伝えられているのですか? 
まずは、昔からの良い伝統を継続していくことが目的です。僕は田布施町が大好きで、いったんは町外へ出たものの戻ってきました。でも、子どもたちはどんどんと出ていきたがるでしょ?それは町に魅力が無いからなんです。昔からあった祭にしても簡素化されているし、大人たちの「本物」の姿を見ていない。僕は「本物」を見て育ってきたんですよ。だから、今度は僕が子どもたちに「本物」を伝えていきたいんです。「本物」というのは、大人がムキになって何かをすることなんです。今、そんな大人は少ないけれど、「本物」を見て育った子どもは、年を取ったときに次に伝えていこうと思ってくれるんですよ。だから、「本物」を子どもたちに伝えることは大切なんです。

●「本物」を子どもたちにどうやって伝えておられるのですか?
山城太鼓をやっている子たちには、何でも自分たちでやらせるんです。いろんなコトを見せ、実際にやらせて、そこから彼らはやりたいことを見つけるんです。今の時代は、それを大人が邪魔しているんですよ。そう思いません?
だから、子どもたちのために、すべて子どもだけでやる「合宿」を行います。親御さんの心配はあるでしょうが、その分指導者である僕たちが子どもへの安心を考えます。合宿では、太鼓の練習だけでなく、自分たちで作った食事へ両親を招待したり、子どもが両親の先生になって太鼓を教えたりする時間もあります。そんな合宿を自分たちで行うことで、技術だけでなく、心も成長するんです。

●子どもと関わっていくのに大変なことってどんなことですか?
一番大変なのは「冷静に怒り、感情的に誉める」ということですね。
今の子どもって、嬉しさや喜びの感情を表すのが下手なんですけど、それは僕たち大人のせいなんですよ。僕たちが冷静に怒り、感情的に誉めれば、子どもも素直に感情を表現できるようになるんです。でも逆の人が多いでしょ?僕も精一杯そうしようとは思うんですけど、難しいんですよこれが。冷静に怒るのは自分に「ちょっと待て!」をかけてなんとかできるんですけど、感情的に誉めるのがねぇ。
僕自身は、たぶせ山城太鼓の活動の中で、彼らの課題を見つけ、太鼓を通じてどう変わるかを見ていきたいですね。そしてそのことが僕自身のレベルアップにもなっているんです。

●きらら博ではどのようなステージになるのですか?

小学生24名、中学生10名の子どもたちがメインで、「山口県の森」をサブテーマにした、創作太鼓中心のミュージカルを繰り広げます。あくまでも太鼓がメインですが、ミュージカルなので歌や振りも取り入れ、ステージは約90分間、曲数にすると20曲を披露します。

●ステージへ向けての練習もたくさんされているのですか?
いいえ。週に1回2時間の練習です。でも、その2時間は誰も入って来られないくらい集中します。すごくハードですが、小学1年生の子でもついてきますよ。子どもが集中力を維持するのも大変でしょうが、僕たち指導者も大変です。僕たちが切れてしまったら子どもも維持できないですからね。限られた中で効率よく練習するんです。

●ステージの見どころを教えてください。
ミュージカルの中で、手話を使った曲があるのですが、そこですかね。
見どころというか、歌を手話で見せることによって、表現が深くなったんです。手話を使うことで、耳の聞こえない人だけでなく、すべての人に対して、伝えたいことが踊りよりも深く表現できます。子どもたちも喜んで手話に取り組んでますよ。

●最後に見に来られるお客さんにメッセージを。
子どもたちが、太鼓によるミュージカルを通じて、何を伝えようとしているのかを感じ取って欲しいですね。作者として、指導者として、それだけの演出はしています。
音楽に限ったことではないけれど、自分が感動したときが最高のステージなんだと思うんです。
子どもたちには、まず自分が感動すること。そして、どう見に来てくれた人の心を動かし、感動させるか。上手にたたく練習ではなく、「心」、表現力を練習させています。子どもたちの一生懸命が絶対にみなさんの心を動かします!