「山の会」で一生の思い出づくり
藤井孝司(ふじいたかし)さん

山口市在住
「山の会」会長
1997年5月に同会を立ち上げ、毎月1回の例会を欠かさない。

☆出会い☆
藤井さんは、ワピー(地域通貨)オークションで声をかけて来て下さった。「今度は阿蘇山でパラグライダーをするんです。」嬉しそうな笑顔に、話を聞いてみたくなった。

阿蘇山でパラグライダー飛行をされた次の日、ご自宅でお話をうかがいました。(01.11.19.Mon)
●阿蘇山の眺めはどうでしたか?
よかったですよ〜。午前中は風がなかったんですが、飛ぶと30メートルくらい浮かぶんです。これが実に、眺めがいい!息子と一緒に飛んだんですが、本当にね、鳥になったような気分でした。
帰って来て、夜はしし座流星群が見えたでしょう?ヘトヘトだったけど、寝ずに待って、家の前から見上げましたよ〜。キレイでしたねー。

●本当にキレイでしたね!それで、「山の会」とはどんな会なんですか?
一口に言えば「山登りと温泉と観光プラスアルファ」の会ですかね。
発足してから毎月一回、必ず例会をしています。ボクはどの会も、『一生覚えていられるような例会』にしたいと思っています。だから、山登りが主目的でなくても、 料理でも企画でも、こだわる部分はどこでもいいんだけど、インパクトのないものはダメなんです。 月並みなものはやりたくない。 遊ぶ時は、過労死するくらいトコトン遊ぶ。 それにボクは、バカバカしいことが好きなんです。
例えば、夏に行った「鳥取砂丘 月の砂漠例会」。「水木しげるロードに行こう。」「それなら時間は、丑三つ時だね!」となって、真夜中に、約80体の妖怪と一緒に、写真を撮りまくりました。メインは「鬼太郎」じゃなくて、もちろん「砂かけ婆」。鳥取“砂”丘ですからね。そして朝ご飯は「サンドイッチ」。“サンド”ですからね。そして具には、「砂肝」は欠かせんやろう、と。
こうして、バカバカしい思いつきを、本当に実行に移すんです。バカらしいけど、本気なんです。 人がやらないことでも、やったら記憶に残るでしょう?そうすれば、 本当に忘れられない、『一生覚えていられる思い出』になっていくでしょう? ボクにとって、どの例会も宝物で、思い出だらけです。そうして、そんな例会を目指しているので、 山だけの会でいられませんよね。 山は、実は手段なんですよ。

藤井さんの書斎には、ネパール旅行や例会のアルバムがいっぱい!
●どうして『一生覚えていられるような例会』にしようと思ったんですか?
ボクは25歳の時に、通信で大学に入り、8年間かけて卒業したんです。その時、卒業記念にと、妻が旅費を工面してくれたんです。大事なお金を有効に使おうと考え、山の綺麗なネパールへ決めました。初めての海外旅行でしたし、「エベレストを見てやるぞー!」と会社を休んでの22日間。今でも本当に忘れられない、一生の思い出だと言えます。ネパールに行ってみて、「 一生の思い出って大事だなぁ。みんなにも、この気持ちをわけてあげたいなぁ。」と思ったんですよ。
この石もね。ただの石ころなんですけど、例会の集合場所へ行く途中、ボクのタイヤをパンクさせたんです。時間には遅れるしみんなは待っているし、「この石のせいで〜」って思ったけど、それはボクにとってすごい思い出で、ガソリンスタンドの人に「捨てないでーー!!」と、もらってペンダントにしたんですよ。
●「山の会」のメンバーは、何人くらい?
いつもそれを聞かれるけど、本当にわからないんです。入会金も年会費も、会員証もない会なんです。
はじめは同じ職場のメンバーばかりだったんですが、今はHP(ホームページ)や、記事を掲載させてもらっている「おはよう朝日」を見て、ポンと入って来てくれるんです。まだ会ったことはないけど、HP上で仲良くしている人や、一度だけ参加してくれた人もいます。中には、HPで知って入って、一緒に山に登ったけど「そう言えばあの人本名は?」と、本名を聞かないままで解散したという人もいます。だからメンバーは、入れ替わり立ち替わりです。 来たい人が、来たい時に来ればいいと思っています。
他の人には認められないかもしれないけど、ボクは「個人が自分の責任で参加する」ことがいいと思っています。山を登るのですから、危険を伴います。もちろん、ボクに出来る範囲のことは、計画段階でチェックを入れています。でも、100%を山の会でフォローすることは不可能です。 ボクは自分の責任で、自分が楽しむために行動するし、みんなにもそうであってほしい。そして、力を貸しあうこと、助け合うことを大切にしています。

広島に行く途中、小郡町でこの石がタイヤに刺さったのでした。穴をあけてペンダントにし、大切にされています。

パソコンの画面には「山の会」のロゴが・・・
●いいメンバーがたくさんおられるようですね。
バカバカしい企画でも、そこで楽しめるかどうかが大事です。その点で、いいメンバーが集まっていますね。
それにね、普通「山登り」って言ったら、熟年の男女ばかりなのに、うちの会は20〜30代女性の割合が多いんですよ。こんなこと、他の会にありませんよ。何もえらい思いして山に登らなくても、楽しいレジャーは多いのに。
ボクはね、これはロゴのせいじゃないかと思うんです。HPに載っている、このロゴです。
(コマツ、ロゴを見る。・・・!おっぱいの形だ!おっぱい山だ・・・)
これが、呼び寄せているんだと思います。ロゴもみんなに反対されたけど、「インパクトが大切だ!!」と押し切ったんですよ。やるからには、中途半端はダメです。
●(大爆笑!)こんな「山の会」に「入ってみたいなぁ〜」と思った人は、どうすればいいんですか?
メールでも、HPの掲示板でも、「よせて」「一緒に行ってみてもいぃ?」って、意思表示して下さい。そこで成立です。不安があったら、家に来てもらってもいいですし、これまでのアルバムも見せますよ。60代のおばちゃんもおられます。待っています。

     「山の会」ホームページへ
■インタビューを終えて
初対面で、こんなに面白そうに話をされる人はいないのでは?楽しくインタビューが出来、文章にする時も「あのギャグを文字で表現するには、どうしたらいいんだ?」と、笑いながら悩みました。
「金はかけずに手間をかける」という藤井さん。山頂で食べたそうめんやかき氷、丸焼きの牛タンの話を聞いて、私も本気で例会に行きたくなったのでした。(コマツ)